いま最注目の編集者・佐渡島庸平さんがおすすめする「10巻未満の歴史漫画」3作

Photo:新潟県立歴史博物館 By:niigata-ryokou

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ット作の裏に敏腕編集者あり。

600万部を超えたドラゴン桜、1600万部を超えた宇宙兄弟(小山宙哉)。

大ヒットとなった二つの作品は、どちらも同じ編集マンが担当していました。
その編集マンが、佐渡島庸平さんです。

大手出版社の講談社で10数年編集者としてキャリアを積み、その後独立しクリエーターをマネジメントするエージェント「コルク」を立ち上げました。

現在もマンガ編集者としてはバリバリ現役で絶賛ヒット中の『宇宙兄弟』はもちろん『オチビサン』『鼻下長紳士回顧録』(安野モヨコ)、『テンプリズム』(曽田正人)、『インベスターZ』(三田紀房)の編集を担当、
さらに著書「ぼくらの仮説が世界をつくる」という興味深いビジネス書も出版されています。

そんなマンガ編集者の佐渡島さんがご自身のブログでおすすめする10巻未満の歴史漫画が、
本当におすすめっぽいのでご紹介します。

『ヒストリエ』(岩明均/アフタヌーンKC)

ヒストリエ01

『寄生獣』以上の大傑作が生まれようとしていている

作者は、あの大傑作『寄生獣』を生み出した岩明均。その最新作になるのが『ヒストリエ』です。
連載スタート当時は、そんなに注目していたわけでもなく、むしろ主人公のエウメネスのつかみどころのないキャラクター設定にうまくはまれなかったようです。

しかし、5巻が出たところでまとめ読みしたところ、ドはまりしてしまったようです。

新作をもっとも待ちわびている作品

マケドニア王国のアレクサンドロス大王に仕えた書記官・エウメネスを主人公にした歴史漫画です。
紀元前4世紀のギリシアやペルシアを舞台に、エウメネスの波乱の人生を描いた物語で、エウメネスはプルタルコスの『英雄伝』にも出てくる実在の人物。
ギリシアの名家の息子として生まれながら、陰謀によって一時は奴隷まで身を落としながら、時代の潮流とともに徐々にその才能を開花させていきます。

ヒストリエ02

作者の岩明均がデビュー前から構想を練っていたというから、相当肝いりの作品です。

主人公のエウメネスに関しては、「英雄伝」に登場しているように実在したことは分かっているようですが、ほとんど資料が残ってはいないようです。
そんな数少ない資料や周辺資料だけから、リアルな人間を描き出す物語のおもしろさとともに、作者の想像力に佐渡島さんは感嘆せずにはいられないと語っています。

司馬遼太郎や塩野七生の歴史小説が好きな人は絶対にはまる、とも言っています。

「どうせマンガでしょ」と言わせない物語の中にちりばめられたリアリティが、『ヒストリエ』の中にはあるからだそうです。

アフターヌーン公式サイトで『ヒストリエ』の第1話が公開されています。

この先ドはまりしてしまう理由が知りたくなる第1話ですね。

『ゴールデンカムイ』野田サトル(ヤングジャンプコミックス)

ゴールデンカムイ01

ゴールデンカムイは「週刊ヤングジャンプ」に連載中の作品です。

日露戦争後の日本。北海道へやってきた帰還兵・杉元は、ふとしたきっかけから網走監獄囚の隠した莫大な埋蔵金を追い求めることになります。埋蔵金をめぐる警察や第7師団、脱獄囚たちとの争いがはじまります。

物語の魅力は、一攫千金を求める男たちの駆け引きだ

主人公の杉元が不死身という、そこだけ破天荒な設定なのですが、なぜ不死身なのか、どれだけ追いつめられても死なないのかが気になって先を読み進めてしまいます。

この作品に奥行きを与えているのは、アイヌ文化についての情報だ

そんな破天荒なキャラクター設定の『ゴールデンカムイ』という作品に奥行きを与えているのが、よく調べられているアイヌ文化の描き方であると佐渡島さんは語っています。

アイヌの食文化でカワウソやリスを食用に用いていたなど、ぼくらの日常と違う文化的背景をバックボーンに作る物語が力強さを与えているのでしょう。

週刊ヤングジャンプ公式サイトで第3話まで公開しているので、まずは読んでみてください。

『サンチャゴ』円城寺真己(ビッグコミックス)

サンチャゴ01

推薦していた中でも一番の佐渡島庸平さんが一番のおススメというのが、このサンチャゴです。

認知度は低い。でも、この作品を僕はもっとも推薦したい!!

キリスト教徒が立ち上がった乱として、教科書でも有名な島原の乱を描いた作品です。

そんな時代背景の世の中を軸にしながら、天草四郎、謎の南蛮人・ディエゴ、隠れキリシタン・サチの3人の人生模様を描いていく作品になりそうということです。

作者の円城寺真己さんは『サンチャゴ』以外は1作品しかないまだ新人漫画家さんのようです。

しかし、新人らしからぬ画力の凄味に佐渡島さんは注目しているようです。

サンチャゴ02

サンチャゴ03

これだけの画力を発揮するには、資料の読み込みがまずはできていないと無理で、それくらい資料を読み込んでいるんだとすれば、諸説ある島原の乱をどう解釈してくれるのか?そこが見どころと語っています。

単純な勧善懲悪の二項対立にはならなそうな、価値観の揺さぶりあい、変節、正義と正義のぶつかり合い、そんな人間ドラマが展開される予感がぷんぷんしているのではないでしょうか。

小学館の公式サイトで第1話が公開されています。

数多くのヒット作を生み出してきたマンガ編集者が期待を寄せる「10巻未満の歴史漫画」3作。

どれくらいのヒット作となるか期待大ですね。

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