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「マネー・ショート 華麗なる大逆転」が伝えるのは、豊かさではなく愚かさという解説

   

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マネー・ショート 華麗なる大逆転は、2007年にアメリカで起こり世界中を巻き込んだ100年に一度と言われる世紀の経済破綻「サブプライムローン破綻」をテーマにした映画です。

政府も銀行も経済アナリストも気づくことができなかった、住宅ローンバブルと債券バブルの同時崩壊を、見事見抜いた主人公たちですが、映画の中では彼らを英雄としては描いていません。

むしろ、自分たちの予想が当たってしまったことで、世の中を、そして自分を深く見つめなおす姿が描かれているのが印象的な映画でした。

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「マネー・ショート 華麗なる大逆転」ざっくりあらすじ

顧客である投資家のお金をもとに投資ファンドを運営しているマイケル(クリスチャン・ベイル)。マイケルは、住宅ローン市場とそれを取り巻く債券市場の構造的欠陥から、アメリカ経済が破綻すると気づきます。そこで投資家としてマイケルが仕掛けたのが、CDOの「空売り」です。マイケルは、CDOの価値がなくなるようなじたいになったときに儲けが出るCDSという金融商品を証券会社に商品化させます。同様の投資ファンドを運営するマークと、個人投資家のチャーリーとジェイミーもCDSの存在を知り、CDOの空売り=経済の破綻に賭ける投資を始めました。

住宅ローンのデフォルトが増えていくも、CDOの価値がなかなか下がらないことに焦りや苛立ち、投資家との軋轢を抱えながら日々を過ごすマイケルたち。しかしついにサブプライムローン破綻が起き、大量のCDSを保有していた主人公たちには巨額の富が転がり込んできます。そのとき思惑通りの富を得たマイケルたちが感じたのは、お金を得た喜びではなく…

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「マネー・ショート 華麗なる大逆転」ざっくり概要

「マネー・ショート 華麗なる大逆転」は、誰も予想だにしなかった金融業界の欠陥に気づき、経済が破綻することに賭けた男たちの物語です。

主人公は、その経済破綻を見極め、破綻する方に「空売り」し、想像を絶するような大金を儲けることになった3組の投資家たち。
そんな彼らの群像劇になっています。

「99.9%」実話に基づいているというのが売り文句なので、当然サブプライムローンは破綻しますし、それによって世界経済は大混乱に陥ります。

そして、主人公たちは大金を得ることになりました。

監督はアダム・マッケイ。原作は「マネー・ボール」の著者でもあるマイケル・ルイスです。

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「マネー・ショート 華麗なる大逆転」はどんな話なんだろうか?

タイトルにあるような華麗さは映画の中には描かれていません。
たしかに、予想通りに経済破綻が起きず、資金を提供してくれている投資家から批判を浴びたり、思い通りに進まない状況からの大逆転ではあります。

でも、そこに華麗さはありません。

なぜ、そんなドラマチックな大逆転を華麗に描かなかったのでしょうか?

それは、この映画が、恵まれていない状況から成長して英雄になるようなヒーローズジャーニーの映画ではないから。
むしろ、「赤信号みんなで渡れば怖くない」的な人間の行動を戒める内容のものだからです。

本編中、CDSの購入という「一生に一度の賭け」をし喜ぶチャーリーとジェイミーに対して、アドバイザー役のベン(ブラッド・ピット)が、興奮するふたりを戒めるシーンがあります。

「俺たちが勝てば、国民は家や仕事や老後資金を失う。年金もだ。人が数字化される。失業率1%上昇。4万人死亡。」

自分たちの予想が当たり、儲かるってことは、その分不幸になる人がいる大勢いることを強く認識させられます。主人公たちがやろうとしている行為は正しいのか?悪なのか?考えさせられるシーンです。

「マネー・ショート 華麗なる大逆転」のラストは?

映画の終盤、主人公たちは巨額の富を得ることに成功します。

しかし主人公たちが抱いたのは嬉しさとか喜びとかいったものではありませんでした。

マイケルは、バブル崩壊前にあれだけ避難していた投資家たちに、約束通り巨額の運用利益の振込んだあと、自らの投資ファンドを閉鎖します。

マークは、CDSを換金することで結局は詐欺まがいのことをしていた証券会社や格付け機関と同じになってしまうのではないかと思い悩みます。

チャーリーとジェイミーは、倒産したリーマン・ブラザーズのオフィスに入り込み、誰もいなくなってしまった閑散としたオフィスで、そこはかとないむなしさを感じます。

嬉しいどころか、むしろ予想通りに進んでしまったことに対する、ある種の罪悪感を主人公たちは感じています。
経済がうまくいかなくなることが分かった上で、自分たちがしたのは、お金を稼ぐことだけだったからです。

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つまり「マネー・ショート 華麗なる大逆転」とはどんな映画だったのだろう?

「マネー・ショート 華麗なる大逆転」は、巨万の富を得ることに成功した投資家たちの実話です。
しかしそこに描かれていた物語は、成功者を描いたアメリカンドリームなんかではなく、
一方向に進むと過信してしまう大衆化の怖さや愚かさと、自分が本当になすべきことはなんなのだろうという根源的な葛藤でした。

エンディングでは、各モデルとなった人物たちの後日談とともに、アメリカの金融業界にはCDOと同様の商品が名前を変えて再び登場していることが伝えられます。

人が同じ過ちを繰り返そうとしている、そんな世の中に対する警告を感じ取れる映画、それが「マネー・ショート 華麗なる大逆転」でした。

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