映画「ニューイヤーズ・イブ」大みそかの恋愛群像劇からわかること

2016年10月29日

Photo:Times Square By:anieto2k

Photo:Times Square By anieto2k

画「ニューイヤーズ・イブ(原題: New Year’s Eve)」は、
大晦日の夜、ニューヨーク・タイムズスクエアの イベント「ボールドロップ」を舞台に、
出会いや小さな奇跡、幸せ、絆を取り戻そうと奔走する人などなど…
8組の人々の年越しを描いたのグランドホテル方式の物語です。

グランドホテル形式
映画や小説、演劇における表現技法のことで、
「ホテルのような一つの大きな場所に様々な人間模様を持った人々が集まって、そこから物語が展開する」
という方式のこと。

ジャンルとしてはロマンティック・コメディになります。

あらすじ
間近に死が迫った病人と、そんな彼を見守る看護師。去年の大みそかに遭遇した女性と交わした約束を忘れることができない男性。
以前付き合っていた相手と偶然に再会した男女。さまざまな事情を抱える8組の人々が、大みそかのニューヨークで愛や勇気と向き合うことに……。

豪華な出演陣が勢揃い

ボールドロップの責任者クレアにヒラリー・スワンクと、
その警備を手伝うブレンダンにリュダクリス

退社するレコード会社秘書イングリッドにミシェル・ファイファー
そのイングリッドの「年頭の誓い」を叶えるメッセンジャーのポールにザック・エフロン

出産間近の妊婦テスにジェシカ・ビール
その夫グリフィンにセス・マイヤーズ

エレベーターに閉じ込められる漫画家ランディにアシュトン・カッチャー
歌手のエリーズにリア・ミシェル

2代目社長サムにジョシュ・デュアメル
その想い他人キムにサラ・ジェシカ・パーカー

シェフのローラにキャサリン・ハイグル
元彼のスター歌手ジェンセンにジョン・ボン・ジョヴィ

15歳の少女ヘイリーにアビゲイル・ブレスリン
その意中のお相手セスにジェイク・T・オースティン

そして死ぬ間際の末期がん患者スタン・ハリスにロバート・デ・ニーロ
その介護をする看護師エイミーにハル・ベリー

あまり聞いたことない人もいますが、メインキャストでもこれだけいると壮観です。

監督はゲイリー・マーシャル
言わずと知れた名作「プリティ・ウーマン(原題: Pretty Woman)」、
そして「バレンタインデー(原題: Valentine’s Day)」の監督です。2016年7月19日に惜しくもなくなりました。

そもそもボールドロップって?

映画の舞台となっているのはニューヨーク・タイムズスクエア。
大晦日の夜にはカウントダウンでたくさんの人で賑わっているのをニュースで見たことあるとも思います。

大晦日の23時59分になると、ワン・タイムズスクエア・ビルのてっぺんに設置された
電飾などでデコられた巨大なボールが徐々に降下し始め、年明けちょうどにビル下に到着。
と同時に周囲のビルから紙吹雪が舞うというアメリカでは年越しには欠かせない恒例の一大イベントです。
派手な除夜の鐘みたいなもんでしょうか。

歴史は意外に古くて1907年から始まっています。
現在のボールは6代目とか。

たった61秒のイベントに参加者100万人、視聴者10億人とも言われているようです。
(タイムズスクエア「New Year’sEve Ball」の裏側 / GIZMODE )

その準備や装飾に1年を費やすらしく、とにかく大変なことのようです。

その責任者のクレアには、すごいプレッシャーがあったんだということですかね。

イベントの意味としては、祝賀イベントということ以外は特にわからなかったです。
映画のテーマと関係あるんですかね。

8組の人々を巡る群像劇

映画は8組の人々が、バラバラに出てくる群像劇。

こういった群像劇のスタイルをとった映画では、
登場してくるペアの数だけ、それぞれのストーリーがあります
中には複数のストーリーに登場する人物がいたり、
話が交差したりすることもありますが、
大抵それぞれのストーリーにはひとつずつ、それぞれのテーマがあります

「ニューイヤーズ・イブ」で言うなら、
いがみ合いより譲り合う気持ちの大切さとか(「出産競争」※Wikipedia のストーリー分け。以下同じです)、
家族愛とか(「末期がん患者」)、
初恋のドキドキや(「母と娘」)、
一歩踏み出すことの大切さや(「年頭の誓い」)、
思い続けることの素敵さや(「結婚式からニューヨークへ」)、
許すことの難しさとすばらしさ(「音楽会社パーティーの舞台裏)などなど。

それぞれは共通項(「ニューイヤーズ・イブ」の場合は大晦日のボールドロップですね)によって
映画として1本にまとめられます。

そして、それぞれのテーマを統合して、映画全体のテーマを表現します。

「ニューイヤーズ・イブ」ではラストにサムがわかりやすくコメントしてくれます、オフナレで。

孤独な世界を美しく変えるのは愛だ
愛はどんな形でも希望をあたえてくれる
新しい年に希望を
それがニューイヤーズ・イブだ

サム

サントラも聞き逃せない

ジョン・ボン・ジョヴィが歌うカウントダウンライブの楽曲は、
その歌詞自体がストーリーの中で愛する人へのメッセージとなっていました。

I Can’t Turn You Loose

ジョン・ボン・ジョヴィとリア・ミシェルのデュエット。

Have A Little Faith In Me

ジョン・ボン・ジョヴィが歌っています。

Auld Lang Syne

リア・ミシェルがエンディングのカウントダウンのステージで歌う
Auld Lang Syne(オールド・ラング・サイン)です。
日本の「蛍の光」の原曲で、「Auld Lang Syne」はスコットランド語です。

物足りないのはテーマがつまらないから

映画としては少し物足りない感じでした。

8組のストーリーにはそれぞれのテーマがあって、
お話もキャストも盛り沢山なわけですが、
映画全体として物足りない。

それは、それぞれ個々のストーリーのテーマが物足りないんですね。

元も子もなく言ってしまえば、当たり前すぎる。

家族愛とか許すこととかお互いを思う気持ちとか、
当然それは大切なものなんで、そこを描くのは大事です。
それぞれでひとつの映画を作れてしまうくらい深く描けるテーマです。

でも、「ニューイヤーズ・イブ」ではいかんせん話が小粒です。
個々のストーリー、そしてその中にあるエピソードが浅くて薄い。
だから全体もそれなりにしかなってないんです。

でもしょうがないですね。
だって8コもテーマを描こうとしてるから、
2時間の上映時間でやろうとしたら1/8に薄まっててもしょうがない。

だから、解決策としてはひとつひとつのストーリーのテーマが
映画全体のテーマに結びつけられるもっとニッチなテーマになっていた方が
退屈しなかったと思います。

サムは愛でまとめたけど、愛だけじゃない

映画のラストにサムのコメントが入ります。
全員の物語を俯瞰した感じで、「愛が大切」なんだよっていうまとめ方をしています。

でもこの映画で描けていたのって、「愛」だけじゃないと感じました。
大晦日の夜に、タイムズスクエアの近辺にいること以外に
映画の中の登場人物たちに共通するものがあります。

何か?

大晦日の夜に、何かしらの出会いを体験している」ことです。

知り合いとの再会、家族との出会い、たまたま居合わせた…
キャスト・ストーリーによっていろいろですが、
全員、誰かに出会って、そして何かを得ている。
僕たちはその様子を見て、教訓を得たりするわけですが、
この映画の描けたことは、
大晦日の夜に起きた偶然の出会いがもたらすハッピーな奇跡のすばらしさ
だったりするわけです。

セレンディピティです。

もちろんそれぞれの人物の中に「愛」があるから、
偶然の出会いを生かすことができたわけだったりするのです。
大晦日っていう特別な夜に起きる出会いが登場人物たちの人生を変えていくわけなんですよね、この映画は。

でも、物語のはじまりのタイミングでは、
なにが特別な出会いでなにがそうではないのかはわからないわけです。

未来を見ることのできるひとはいないわけなので、
それは当然んことなんだけれども、
つまり、そういった特別な出会いってのは、いつ起こるか、もしくは起こっているのかわからない
だからひとつひとつの出会い、出来事を大切にしていこうって気持ちにさせるんです、この映画は。

映画の舞台は、大晦日、そしてタイムズスクエアのイベントっていうシチュエーションでしたが、
特別な出会いってのはいつ起こるかわからないわけです。
いつだってこの大晦日みたいな出会いが起きる可能性あるし、起きたとしても不思議でも何でもない。

つまりこの映画から受け取れるメッセージは、
「あなたにとっての大晦日っていつなの?それ今日かもしれないんじゃないの?」
ってことだと思うんですよね。

単純に愛が大切だよって言われてもピンとこないんですけどね、サムが言ったみたいな。

365日365戦365勝

最近youtubeを流し見ていた時に、「武井壮しらべ」というものがヒットしまして。

武井壮さんは40歳を超えていますが、アスリートとしてまだまだ第一線でも活躍していて、
40歳以上の?人が出場できるマスターズリレーなるもので現在の日本記録/アジア記録を保持しています。

まだ記録を出す前、その大会に挑戦した時の放送回を見ました。
その中で彼が言っていたのが「365日365戦365勝」という言葉。

武井壮さんはどんなに忙しくても毎日1時間のトレーニングを欠かさないとのこと。
そんな彼でも、トレーニング前にはしんどくてやりたくない時もある。
そんな怠けようとする自分を振り払って、毎日1時間トレーニングをする。

世界を獲るために。真剣に。

それができることを自分に勝つと定義していて、
毎日毎日自分に勝ち続けることとは絶対にしたい。
そんなことで話していました。
(他にも感銘を受ける話をたくさんしてました。言葉にリアルな力を感じました)

毎日続けるのって本当に大変なことなので尊敬します。

これ、毎日「きょうって大晦日なんじゃねーの」と思いながら過ごすことと一緒なんじゃないでしょうか

毎日フルスイングしてないとダメなんですよ。しかも120%のフルスイング。
だって、いつ起こるかわからないですから、セレンディピティ。
いつ起きてもいいように、いつでもできることやっておくこと。
昨日の自分に負けない自分に、常にしておくこと。

そんな心構えが、ハッピーエンドにたどり着く道なんだと思います。

そんなことを噺半分で聞いていただけたら幸いです…

日テレ映画天国で放送されていましたが、見逃した方は是非。

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