栗山英樹監督がプロ野球選手にオススメする人として成長する3冊

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本ハムファイターズの監督である栗山英樹監督。若手主体のチームで日本一を成し遂げたり、球界の宝・大谷翔平を口説き落として入団させたりと、名監督と言っても過言ではない活躍だと思います。

栗山監督は野球人としての肩書きだけでない一面もあります。
ヤクルトスワローズでの現役生活を終えた後は、プロ野球解説者だけでなく大学教授として活躍していたことも有名です。

そんな文武両道を地でいく栗山監督が日ハムの若手に勧める本があるそうです。
どんな本なのかちょっと気になりますよね?

栗山英樹監督が選手にオススメする3冊

『論語と算盤』渋沢栄一

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今年も、開幕投手の有原航平にこの本を渡しました
栗山英樹「若手を育てる読書術」|Number 925(2017/4/27号)

現役を引退して、解説者や大学教授として活動している間にたくさんの人に出会うことになった栗山監督。
社会で活躍する人の共通点を見つけたそうです。

それは、中国古典。
みんなが、その中国古典を取り上げた渋沢栄一の『論語と算盤』と言ったらしいです。

著者の渋沢栄一は、幕末に江戸に現れた重要人物です。
巨大な財閥を作る実力がありながらも、それをせず、
今でも残る重要企業創業の発起人や旗振り役を務め財界の指導者的立場やまとめ役を担いました。

そんな渋沢の持論が「論語と算盤は両立させるべきだ」というものでした。
私利私欲に走ることなく、公益を図ることを生涯に渡って貫いた生き方に、
栗山監督は敬服しているそうです。

誰のために頑張るべきか、何のために頑張るべきか?
そんなことを考えてもらいたくて、有原投手だけでなく何人もの選手に『論語と算盤』を渡しているそうです。

渋沢栄一(しぶさわ・えいいち)
実業界における明治大正期最大の指導者。一橋家に仕えて幕臣となり、パリ万国博覧会幕府使節団に加わって渡欧。維新後、大蔵省官吏を経て第一国立銀行を設立。各種の会社の設立に参画し、実業界の指導的役割を果たした。

『木のいのち木のこころ -天・地・人』

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これは人を育てるのにすごく役立つ本なんです
栗山英樹「若手を育てる読書術」|Number 925(2017/4/27号)

1300年の歴史を持つ法隆寺。建ち続けているのは、たくさんの職人たちによって修復が行われ続けてきたことによるものです。
この本は、最後の宮大工と呼ばれるの西岡常一さんの言葉をまとめた「天」の巻を含めた3つのパートからできています。
飛鳥時代から続く教えを愚直に守り続けた西岡さんの教えは、木の使い方や育て方だけでなく、人の育て方も教えてくれます。

西岡常一唯一の内弟子・小川三夫が宮大工の将来を語る「地」の巻と、小川主宰の鵤工舎に属する若者19人へインタビューした「人」の巻からなる3つのパートで構成されています。

オススメの本を質問してきた田中賢介選手に、栗山監督が渡した1冊です。

西岡常一(にしおか・つねかず)
1908年奈良県生れ。檜の巨木を使って法隆寺などの復興を果たした最後の宮大工棟梁。享年86。

小川三夫(おがわ・みつお)
1947年栃木県生れ。西岡常一の門を叩くが断られ続け、3度断られたと言われる。その後内弟子に。法輪寺などの再建に副棟梁として参加。1977年、鵤工舎を設立。

塩野米松(しおの・よねまつ)
失われゆく伝統文化・技術の記録に精力的に取り組んでいる作家で、本書の聞き書を行っている。

『羆撃ち』久保俊治

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こちらも田中賢介選手に渡した本。

北海道の大地でたった一人で羆を追うハンター。20代の頃から始めた猟で生計を立て、その歴史もいつしか40年を越します。そんな孤高のハンターの相棒はアイヌ語で火の女神を意味する「フチ」と名付けられた純白の愛犬。
想像を絶するような猟の一部始終や北海道の大自然、そしてフチとの別れなど数々の名シーンが描かれた
フチと一緒に羆を狩る若き狩人の物語です。

賢介は野球を勉強するためのチャンスやヒントが野球以外のところにあることを知っているんでしょうね。
栗山英樹「若手を育てる読書術」|Number 925(2017/4/27号)

プロ野球選手は小さい頃から野球のことばかり考えています。
だからこそ、他の選手と差を出すには野球じゃないところで学ぶしかない、と栗山監督は言います。

周りのみんなとの違いを出すには、違うインプットをしないといけないと考えると
自分のこととしても置き換えられますね。

久保俊治(くぼ・としはる)
日本で唯一の羆ハンター。北海道標津町で牧場を経営しながら猟を続ける。妻と2人の娘との生活を追った北海道放送のテレ ビドキュメンタリーシリーズ「大草原の少女みゆきちゃん」は大きな話題を呼び、86年度文化庁 芸術作品賞ほか各賞を受賞。

栗山監督が本を薦める理由はナンデダロウ?

栗山監督がチームの選手に本を勧める理由はシンプルです。

人って性格は変えられないけど、考え方は変えられると思うんです
栗山英樹「若手を育てる読書術」|Number 925(2017/4/27号)

栗山監督は現役を終えた後、どこかにもっとできたのではないかと負い目を感じます。

結果を残せなかったのは、野球選手としてダメだったからではなくて、
人としてダメだったのではないかと気付きました。

さらに栗山監督はこう考えます。

そもそも性格は人の評価ですけど、考え方は自分次第。
栗山英樹「若手を育てる読書術」|Number 925(2017/4/27号)

コップに水が半分入っているとして、半分しかないと考えますか?半分も入ってると考えますか?
自分で決められるのは、自分がどう考えるかです。
だとしたら自分がよくなる考え方に変えてしまっていいんじゃないか、と栗山監督は言います。

いろいろな考え方に触れて欲しい、学んで欲しいと思うからこそ
選手たちに本を進めているのですね。

ただ簡単に読み解けるものでないのも確か。
『論語と算盤』に書いてあるものに今は気づけないことばかりだろうと語っています。

今はわからなくてもいい。彼らのためになるはずだと思って何かをするのは、僕の仕事です。
栗山英樹「若手を育てる読書術」|Number 925(2017/4/27号)

超一流選手になる選手は、技術的には勝手に育っていくものだそうです。
イチローのように誰もたどり着いたことのない場所に向かっているのだから、そうですよね。

そんな選手に対して栗山監督が出来ること、それは、
どうすれば自分が世の中に対して貢献できる存在になれるのか伝えることだと言います。

自分が頑張る理由は、誰かに貢献したいからなんだということに気づいて欲しい、
そんなものに生きる意味を見出して欲しい、
そういった思いをもって選手を指導されているそうです。

どんな人物なのか知るには、その人の本棚を見ればいい。なんてことを言ったりしますね。
人にオススメする本によってその人がどんな人なのか、どんな考え方をしているのかも
わかりそうな気がします。

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