あの名画が読み解ける!イコノグラフィで自分の思考のその先へ

2016年8月31日

本棚を整理していたら、ひときわごつい本が出てきました。
タイトルは「イコノグラフィ Icnography」で、出版元は「ピエブックス」。

いつ買ったのかも覚えてはいないのですが、
タイトルのイコノグラフィに惹かれて、ちょっと調べてみることに。

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イコノグラフィとは

イコノグラフィ」とは日本語では「図像学(ずぞうがく)」と訳されます。

図像学(ずぞうがく、英語:iconography)は、絵画・彫刻等の美術表現の表す意味やその由来などについての研究。

絵画などを見るときに、きれいだとか、美しいとか、人それぞれ感じ方はあるでしょうが、
絵画の、特に古典絵画に描かれている約束事を読み解く為にあるのがイコノグラフィです。

たとえば、古典絵画の中で帽子を取り合うふたりの紳士がいたとすると、
このふたりが何をしているのかというと、「挨拶」をしていることが、
いまの私たちの常識からするとわかるわけです。

そうやって、説明がなくとも描かれているものを見るだけである程度の意味がわかり、
その意味を読み解くことで作者のメッセージや意図を深く理解することができるわけです。

古典絵画などでは、キリスト教やギリシャ神話をモチーフにした絵も多く、
「挨拶」のようないまでも簡単に分かる約束事ばかりではありません。
それを理解し、鑑賞の助けとするのがイコノグラフィというわけです。

フェルメール「天秤を持つ女」

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これはフェルメールの「天秤を持つ女」という作品です。
天秤を持つ女性の白い布地に目がいき、彼女がなにかアクションを起こそうとする
そんな一瞬を切り取った絵だなあ。なんて風に見ました。

が、イコノグラフィを意識すると、そんな見た目だけの感想では終わりません。

注目すべきは女性の後ろにある絵画です。
後ろの絵は「最後の審判」を主題にした絵画で、その絵がわざわざ描かれていることを
踏まえてこの絵を見ると、フェルメールがなにを思ってこのシーンを絵にしたのかが分かってきます。

女性が持つ天秤をよく見ると、秤の上にはなにも乗っていないことが分かります。
もちろん描き忘れなんかではありません。
なにも乗っていない天秤を女性が持つことに意味があったわけです。

「最後の審判」では大天使ミカエルが死者の魂を天秤にかけます。

そして彼女の背後の絵は、その「最後の審判」を主題にした絵です。

つまりフェルメールは「最後の審判」を寓意的に表現しようとした、ということが言えます。

テーブルの上にある宝石箱は人間の世の中の欲望や醜さを感じさせ、
女性の佇まいはそれとは逆に神聖さを感じさせます。

フェルメールはこの絵を見ている人々に、最後の審判を意識させ、
節度のある暮しをするようにメッセージしていたのです。

自分ではたどり着かない思考の先へ

というように、イコノグラフィを用いて絵画を読み解くことで、
ただ美しい絵だなとか、いい色だなとか、素敵な構図だな、といった
絵画の見方から一歩踏み込んだ鑑賞ができるようになる。
それがイコノグラフィというものでした。

ものの見方を教わることってあんまりないことかもしれません。
考えるってだれにでもできるし、人から教わるものじゃないって感じもしますから。
でも自分で意識して考え方を教わると、自分ひとりの力ではたどり着かない思考にたどり着けたりします。

学ぶことの楽しさってそういうところにあったりするんだよなあ、
と思ったことを噺半分で聞いていただけたら幸いです。

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